電子回覧板、講習会・補助金・協定で後押し

関連自治体: 北海道札幌市 / 北海道北広島市 / 東京都八王子市

北海道札幌市は2026年3月16日の市議会第一部予算特別委員会で、電子回覧板機能などを含む町内会アプリの導入支援に向け、これまでに企業4社と連携協定を締結したと、市民自治推進室長が答弁した。町内会・自治会のデジタル化をめぐり、自治体が講習会・補助金・企業連携の3つの方式で後押しする動きが議会答弁で示されている。

各市の表明

  • 北海道札幌市(2026年3月16日・第一部予算特別委員会・市民自治推進室長): 2022年度創設の町内会デジタル活用促進補助金(機器購入・設置は上限10万円の3分の2等)は延べ370件の利用があったと答弁した。当初はパソコン購入が約7割だったが、2025年度は約4割に低下し、オンライン会議や電子回覧板などコミュニケーション目的が約5割に上昇。アプリ導入支援では官民連携窓口を通じて4社と連携協定を締結した。
  • 北海道北広島市(2026年3月2日・本会議代表質問・市長): 2024年度の自治会・町内会長アンケートで97%が役員のなり手不足、77%が「デジタル化が進まない」と回答したと答弁した。役員の負担軽減のため、LINEオープンチャットを活用した電子回覧板の導入をサポートする講習会を2026年度に実施する。
  • 東京都八王子市(2026年3月9日・予算等審査特別委員会・市民活動推進部長): 町会・自治会のウェブ管理システム構築費26万4千円を2026年度予算に計上したと説明した。2025年度は東京都つながり創生財団の伴走支援サポート事業を2団体が活用し、電子回覧板の導入やホームページ運用に取り組んだ。成果を整理し他の町会・自治会へ発信する。

環境整備から運用段階へ

札幌市の答弁では、補助金の使途の変化から、支援対象が機器整備の初期段階から電子回覧板などの運用段階に移りつつある状況が示された。出前講座は71件の利用があり、2025年度は町内会運営におけるAI活用のメニューも追加した。

八王子市の市民活動推進部長は、伴走支援を受けた2団体で情報発信の迅速化や業務分担の明確化が進み、運営の効率化と担い手の負担軽減につながったと評価した。

背景

総務省の「地域コミュニティに関する研究会」報告書(2022年4月)は、市区町村が自治会等の地域活動のデジタル化に積極的に取り組むことが有効と整理し、調査対象600市区町村の平均加入率が2010年度の78.0%から2020年度の71.7%に低下した現状を示した。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「電子回覧板」に言及した議会関連記録が58自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。