香川県、移動期日前投票所の導入を市町に促す——県内事例ゼロ、病院設置の検討も

関連自治体: 香川県 / 広島県安芸太田町 / 福岡県太宰府市

香川県選挙管理委員会の委員長は2026年3月11日の県議会本会議一般質問で、投票箱を車両に載せて巡回する移動期日前投票所について、投票所への移動が難しい人の投票機会の確保につながり、若年層の投票率向上の観点からも「有効な取り組み」との認識を示した。県内の設置事例はゼロで、市町の選挙管理委員会への説明会で導入をはじめとした具体事例を挙げ、検討を促していると答弁した。広島県安芸太田町や福岡県太宰府市の議会でも2026年3月、期日前投票の環境整備をめぐる行政の表明が相次いだ。

行政はこう表明した

  • 香川県(2026年3月11日・県議会本会議一般質問): 選挙管理委員会委員長が、移動期日前投票所は大学や高校に設けることで若年層の投票率向上を図る観点からも有効と答弁。県内に設置事例はないが、市町では車や船による投票所への移動支援や、大学・大型商業施設への期日前投票所の増設が実施されていると説明した。
  • 安芸太田町(2026年3月9日・町議会本会議一般質問): 同町の総務課長は、二重投票防止に使う行政専用ネットワークが役場など限られた施設にしかなく、商業施設での期日前投票には設備投資が必要になる一方、町の病院は併設施設に同ネットワークがあり「最小限の投資で期日前投票所を設置するための環境を作ることは可能ではないか」と答弁した。選挙管理委員会委員長は、移動期日前投票所を「当日の投票所を廃止した場合の代替措置として研究を進めてまいります」と述べた。
  • 太宰府市(2026年3月11日・市議会3月定例会一般質問): 同市の総務部理事は、2025年3月の県知事選挙から期日前投票所を市役所庁舎の1カ所から2カ所に増やしたと説明。若年層向けにSNSやデジタル媒体を活用した発信を検討し、投票立会人への学生の登用など高校・大学と連携した啓発を続けるとした。

背景

期日前投票所は市町村の選挙管理委員会が設置し、2016年の公職選挙法改正では投票日当日にどの投票区の選挙人も投票できる共通投票所の制度も創設された。総務省は2022年3月に「移動期日前投票所の取組事例集」を公表し、車両を投票所として巡回させる各地の運用を紹介している。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「移動期日前投票」に言及した議会答弁関連の記録が53自治体で確認されている。香川県の答弁が示すとおり導入が空白の県も残っており、投票環境の整備は「県内第1号」をどこが担うかという段階にある。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。