事業承継支援、3自治体で新事業費・補助制度

関連自治体: 滋賀県 / 山梨県甲府市 / 滋賀県近江八幡市

滋賀県は2026年3月の予算審査の委員会で、事業承継を経営者の交代にとどめず事業者の成長の契機と捉える新規事業「事業承継成長促進事業費」607万5千円を計上する方針を、商工観光労働部長答弁で示した。経営者の高齢化と後継者不在を背景に、中小企業の事業承継支援を議会で取り上げる自治体が相次いでいる。

各市の表明

  • 滋賀県(2026年3月・予算審査の委員会・商工観光労働部長): 新規事業「事業承継成長促進事業費」607万5千円を計上したと答弁した。3年以内に事業承継を見込む経営者や後継者を対象に、承継を契機とする新事業展開や販路拡大などの経費へ補助する。補助率は3分の2以内、1事業者あたりの上限を50万円とし、12社程度の採択を見込んで600万円を計上した。2025年11月に日本政策金融公庫と締結した連携協定に基づき、親族や従業員によらない第三者承継の促進にも取り組むと述べた。
  • 山梨県甲府市(2026年3月・本会議・産業部長): 中小企業小規模企業振興条例に基づき、人材の育成・確保、経営基盤の強化、創業の促進、販路拡大の促進、地場産業の振興の5項目を基本的施策に掲げ、15の基本施策と31の具体的な取り組みを体系的に整理した行動計画を策定していると答弁した。事業の円滑な承継を支援する中小企業等事業承継補助金を創設したほか、外部委員で構成する推進委員会で進捗確認と効果検証を行っていると述べた。同条例は2016年12月の制定から10年の節目を迎える。
  • 滋賀県近江八幡市(2026年6月・本会議・市長): 地域の中小企業者が培ってきた技術・知識を将来に引き継げるよう、企業の事業承継に力を注ぐと答弁した。市内事業者の新たな挑戦、販路拡大、人材確保を後押しし、近江八幡商工会議所や安土町商工会、滋賀県など関係機関との連携を強化して、経営相談や販路開拓、DX導入支援を総合的に伴走支援できる体制づくりに取り組むとした。ニーズに合った新たな補助制度の創設を視野に、調査研究を進めると述べた。

背景

事業承継は、後継者不在による廃業が地域の雇用と技術の喪失につながるとして、国と自治体が支援体制を強化してきた分野である。国は都道府県ごとに事業承継・引継ぎ支援センターを設置して相談体制を整え、支援メニューを拡充している(事業承継・引継ぎ支援センター)。帝国データバンクの2025年調査では、全国の後継者不在率は50.1%で、前年から2.0ポイント低下し7年連続で改善した。ただし企業規模別では中小企業が51.2%、小規模企業が57.3%と、規模が小さいほど高い。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「事業承継」と「支援」の両方に言及した議会答弁関連の記録が268自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。