千葉県、県有施設にペロブスカイト太陽電池を実証設置へ——公共施設PPAは「条件が合わない」壁も

関連自治体: 千葉県 / 愛知県碧南市 / 千葉県木更津市

千葉県の環境生活部長は2026年2月19日の県議会本会議で、軽量で柔軟な特性を持つペロブスカイト太陽電池について、県本庁舎20階に内窓式の製品を2026年度に設置できるよう準備を進めていると答弁した。県有施設への太陽光発電設備の導入は2026年1月末現在で68施設に達した。一方、愛知県碧南市や千葉県木更津市の議会では、公共施設への導入手法であるPPA(電力購入契約)が条件面で成立しにくい実態と、条件見直しの方針が示された。

行政はこう表明した

  • 千葉県(2026年2月19日・県議会本会議): 環境生活部長が、千葉県庁エコオフィスプランに基づき2030年度までに設置可能な県有施設の50%への太陽光発電導入を目指すと説明。2025年度はPPAモデルを活用して県立学校11校に設置し、導入済みは2026年1月末現在で合計68施設となった。ペロブスカイト太陽電池は本庁舎への内窓式の設置準備に加え、県立学校の屋根への設置に向けた耐荷重の確認調査を進めている。
  • 碧南市(2026年3月5日・市議会本会議総括質疑): 同市の企画財政部長は、公共施設から離れた市有地に事業者が太陽光パネルを設置するオフサイトPPAの提案募集(2026年1月19日期限)に1社から提案があり、3月2日に開催した審査会で内容を審査し、条件付き採用とする予定と説明。売電価格は原則25年間固定を想定し、詳細協議が不調の場合は「契約に至らない可能性もある」と述べた。
  • 木更津市(2026年2月24日・市議会本会議一般質問): 同市の環境部長は、公共施設への太陽光発電・蓄電池の導入をめぐり、参加事業者から「設置場所と校舎までの距離が長く」送電工事費が大きくなる、敷地面積が限られ十分な発電量が見込めないとの意見があり、事業化の条件が整わなかったと説明。PPA方式は市の条件に合う提案が十分得られておらず、条件整理を進めるとし、災害時の電気自動車からの給電など多様な電源確保策も検討するとした。

背景

国・地方脱炭素実現会議が2021年6月に決定した地域脱炭素ロードマップは、政府・自治体の建築物および土地のうち設置可能な約50%に2030年、100%に2040年の太陽光発電設備の導入を目指すとしている。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「PPA」と「太陽光」の両方に言及した議会答弁関連の記録が82自治体で確認されている。導入目標が先行する一方、送電費や敷地条件で公募が成立しない事例が議会で語られており、設置制約の少ないペロブスカイト太陽電池の実証は県レベルで動き始めた。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。