ごみ収集車の運行管理DX——「4台・約8,000万円削減」を見込む区、リアルタイム把握を始めた市

関連自治体: 東京都大田区 / 青森県弘前市 / 神奈川県川崎市

東京都大田区は2026年3月11日の区議会の委員会で、プラスチック回収車両の運行管理システムの導入により収集車を当初想定から4台削減し、約8,000万円の予算削減効果を見込むと資源環境部長が答弁した。ごみ収集の担い手不足を背景に、収集車両の運行をデータで把握して効率化を図る動きが各地の議会で示されている。

各市の表明

  • 東京都大田区(2026年3月11日・区議会の委員会・資源環境部長): 令和5年12月に23区に先駆けてプラスチック回収の運行管理システムを試験導入し、収集効率の分析に基づくルート作成により、令和7年4月のプラスチック区内全域回収の開始時に収集車を当初想定から4台削減、予算額で約8,000万円を削減できたと答弁した。毎年の財政効果になるとした。日報やルート地図のデジタル化で属人化しやすい収集作業を誰でも対応できるようにし、担い手不足の改善に貢献しているとも述べた。経費は東京都から先進的事業と評価され令和6年度から8年度まで3年間100%の補助対象となったとした。
  • 青森県弘前市(2026年3月13日・予算決算常任委員会・環境課長): 家庭系ごみの収集車両の運行や収集作業の状況をリアルタイムで把握できる一般廃棄物収集運搬業務管理システムを令和7年度に導入したと説明した。公募型プロポーザル方式で選定した事業者と契約し2025年10月から収集事業者のタブレット端末でデータ収集を開始した。蓄積データをもとに収集ルートや日程表の組み替えを行い、ごみ収集運搬業務の効率化を目指すとした。
  • 神奈川県川崎市(2026年3月6日・市議会の委員会・環境局長): ごみ集積所が令和7年3月末で5万6,239箇所に達したと答弁した。町内会・自治会の加入率は平成25年の全市平均65.5%から令和6年度に55.9%へ低下し、地域による共同管理の基盤が縮小しているとした。民間事業者と連携したごみ収集サポートシステムの実証実験を、当初予定を繁忙期を含む2026年1月31日まで延長して実施し、分別率の向上や収集業務の安全性、費用対効果を勘案してシステム活用の可能性を検討するとした。

背景

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)が2022年4月1日に施行され、市区町村はプラスチック使用製品廃棄物の分別収集・再商品化に取り組んでいる(環境省)。ごみの収集運搬は自治体の裁量が大きく、担い手となる運転手や作業員の不足が全国的な課題となっている。車両の運行管理をデジタル化して収集ルートや収集量を分析する取り組みは、担い手不足の緩和とコスト削減の両面で議会答弁に数字が出始めた。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「ごみ収集」と「効率化」の両方に言及した議会関連記録が111自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。