家庭ごみ有料化、富山市が2027年10月に導入——指定袋1リットル1円、那覇市は29%減、郡山市は見送り
関連自治体: 富山県富山市 / 新潟県阿賀野市 / 沖縄県那覇市 / 福島県郡山市
富山県富山市は2026年6月15日の市議会6月定例会一般質問で、令和9年10月の家庭ごみ有料化制度の導入に向けて準備を進めており、手数料は指定収集袋の容量1リットルあたり1円としたと答弁した。同じ6月議会で、制度設計に入った市、すでに導入して減量効果を報告した市、導入を見送った市の答弁が並んだ。
各市の表明
- 富山県富山市(2026年6月15日・18日・6月定例会一般質問・市長、環境部長ほか): 家庭ごみ有料化は一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、将来世代の負担軽減に向けた有効な手段の1つであるとし、市長は「経済状況の悪化により市民の皆さんの暮らしが成り立たないなどの導入時期の見直しが必要となる場合を除き、令和9年10月の制度導入に向け、準備を着実に実行していく」と答弁した。手数料の水準は、減量効果を担保しつつ市民に過度な負担とならないよう配慮し、中核市の平均より低い額となるよう指定収集袋の容量1リットルあたり1円とした。袋は市がごみ袋の製造・保管・流通等を委託する方式で、市内どの店舗で購入しても同一価格となり、流通量のコントロールも容易だとしている。手数料の引き上げや上乗せ方式は、基金へ積み立てる財源をより多く確保できる一方で市民の経済的負担が大きくなることから現時点では考えていないが、一般廃棄物処理基本計画を5年ごとに見直すため、その時期をとらえて慎重に検討するとした。資源物は無料とする制度設計を行っており、10月に導入予定のごみ分別促進アプリではAIを活用した画像認識でごみの種類や出し方を検索できる機能を搭載する予定である。有料化制度の導入に合わせ、高齢者等ごみ出し支援事業の導入も検討している。周知については、出前講座への参加が昨年度の22団体610名に対し、今年度はすでに実施予定分も含め13団体733名の申し込みがあると環境部長が答弁した。
- 新潟県阿賀野市(2026年6月2日・第4回定例会一般質問・市長): ごみ処理費用の年間約5億円のすべてを有料化で賄うのではなく、引き続き大部分を税金で賄うとした。ごみ処理手数料収入は減量化に係る施策推進や不法投棄対策等に充当し、残余をごみ処理費用に充てる。燃やすごみの減量に伴いクリーンセンターに係る負担金割合も減少し、予算削減効果が期待できるとした。市民負担額は指定袋1リットルあたり1円を予定しており、1人あたり年間1,200円程度の自己負担になると試算していると答弁した。
- 沖縄県那覇市(2026年6月12日・6月定例会一般質問・環境部長): 家庭ごみの有料化はごみの減量化および資源化の推進を目的として平成14年4月から実施しており、有料化前の平成13年度の家庭系ごみ量約72,247トンに対し、直近の令和6年度は約51,189トンと約29.1%減少していると答弁した。
- 福島県郡山市(2026年6月24日・6月定例会市政一般質問・市、環境部長): 令和6年12月に市の廃棄物減量等推進審議会から、施策の効果を検証しながら生活系ごみ全体の有料化について引き続き検討が必要との答申を得ており、昨年2月には市議会からも、施策の成果を見極めたうえで状況の好転が見られない場合には有料化を検討すべきとの提言を受けている。ただし現在は市民・事業者・行政が一丸となってごみ減量20%に取り組み、ごみ排出量の減少などの成果も着実に現れているとし、この中で家庭ごみの有料化を議論することは「市民の皆様の理解や納得を十分に得られる状況にあるとは言えない」として、現時点で導入を検討する段階にはないとした。そのため有料化による減量効果や財政効果の試算も行っていないとした。環境部長は、有料化に減量化や財政効果があることは認識しており類似都市の状況を調査・確認しているとしたうえで、まず現行施策を推進し、他の廃棄物における公平負担を検証しながら検討を進めるとした。
背景
富山市と阿賀野市が示した手数料水準は、どちらも指定袋1リットルあたり1円である。富山市はこれを「中核市の平均より低い額」と説明しており、水準の決め方が他団体との比較にもとづいていることがわかる。
有料化が決まると動く範囲は袋の値段だけではない。富山市の答弁には、指定収集袋の製造・保管・流通の委託、周知啓発、高齢者等ごみ出し支援事業、AI画像認識を使った分別促進アプリが並んでいる。同市の6月補正予算では、令和9年10月に予定する制度導入に向けた市民への周知啓発に要する経費が計上され、指定収集袋の製造業務委託についても継続費の限度額が設定された。
一方、郡山市の答弁は、審議会の答申と議会の提言という後押しがあっても、現に減量が進んでいる局面では導入の判断が先送りされうることを示している。
当社データベースでは、過去1年(2025年8月以降のデータ)で「ごみの有料化」「ごみ処理手数料」等に言及した議会答弁関連の記録が144自治体で確認されている。
出典:
- 富山市議会 令和8年6月定例会 令和8年6月15日 本会議 一般質問(動画: https://toyama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1095 / 該当箇所 20:22頃〜、42:32頃〜)
- 富山市議会 令和8年6月定例会 令和8年6月18日 本会議 一般質問(動画: https://toyama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1111 / 該当箇所 27:38頃〜)
- 阿賀野市議会 令和8年第4回定例会 令和8年6月2日 本会議 一般質問(動画: https://agano-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=928 / 該当箇所 0:41頃〜)
- 那覇市議会 令和8年6月定例会 令和8年6月12日 本会議 一般質問(動画: https://naha-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=3228 / 該当箇所 冒頭〜)
- 郡山市議会 令和8年6月定例会 6月24日 市政一般質問(動画: https://www.youtube.com/watch?v=nQ2gSjBHQrg / 該当箇所 30:52頃〜、45:07頃〜)
- 当社データベース集計: 2025年8月以降の議会答弁関連記録を対象に「ごみの有料化」「ごみ処理の有料化」「ごみ袋の有料化」「有料指定袋」「ごみ処理手数料」等に言及した記録を集計(144自治体・344件)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。