避難所受付のデジタル化、導入・検討相次ぐ——QRコード受付・県共同アプリ・実証待ち

関連自治体: 神奈川県横須賀市 / 山形県遊佐町 / 岩手県大槌町

神奈川県横須賀市は2026年3月5日の市議会委員会審査で、避難所でQRコードなどにより受付ができるシステムを導入し、夏の稼働を目指すと明らかにした(同市危機管理課長)。避難所受付・名簿作成のデジタル化は、県共同アプリを使う町から実証待ちの町まで、段階の異なる動きが議会で語られている。

各市町の表明

  • 横須賀市(2026年3月5日・委員会審査・危機管理課長): 稼働中の被災者生活再建支援システムのオプションとしてQRコード等による避難所受付システムを導入。第1四半期に契約し夏の稼働を目指す。
  • 遊佐町(2026年3月12日・予算審査特別委員会・総務課長): 山形県と県内32市町村が共同運用する防災アプリを活用した避難所デジタル受付の負担金11万1,000円を計上。
  • 大槌町(2026年3月5日・本会議一般質問): 避難所把握システムの社会実装が2026年度以降となる見込みを踏まえ、導入への庁内準備・検討を進めると町が答弁。

横須賀市は、通信途絶時への備えも質疑で説明した。市側によると、システムはインターネット前提だが、回線が使えない場合も避難者情報を手入力で蓄積し、復旧後に反映できる。従来の避難者カードなど複数の受付方法を併用し、受付は市職員の避難所支援班が担う。支援班への教育のうえ、避難所運営委員会への紹介と訓練での採用を進めるとした。

遊佐町の総務課長は、避難者がアプリでQRコードを読み込み、氏名・住所・生年月日など基本4情報を登録して受付をデジタル化する仕組みと説明した。車中泊や在宅の避難者の登録方法、住民への周知、職員研修は今後の検討課題とした。

大槌町は、デジタル技術で避難所の受付・被害状況の把握・住民への情報提供を少人数で行える体制に期待を示した。岩手県が主体の復興防災DX研究会で、LINE等を活用した避難所把握システムの実証が2025年11月の県総合防災訓練で行われたことも紹介した。

背景

山形県は2026年2月、防災アプリ「やまがた安心ポータル(ヤマモリ)」の運用を開始し、避難所での2次元コード受付を県と市町村の共同運用で実装した。岩手県も復興防災DX研究会で避難所把握システムの研究を進めており、受付デジタル化は県主導の共同整備と市町村単独導入が並走する構図にある。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「避難所」と「受付」の両方に言及し、かつ「デジタル」「QR」「マイナンバーカード」のいずれかを含む議会答弁関連の記録が80自治体で確認されている(時点: 3市町の答弁・説明はいずれも2026年3月議会)。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。