高齢者見守りICT、「配る」から「選んでもらう」へ——購入費補助・実証・機器選定中の3市

関連自治体: 富山県南砺市 / 沖縄県名護市 / 東京都武蔵野市

富山県南砺市は2026年3月11日の市議会民生経済部会で、市販の見守りICT機器の購入費の2分の1(上限3万円)を補助する事業を始めると説明した(同市地域包括医療ケア部次長)。単一機器の貸与から、利用者が選ぶ方式への転換となる。

各市の表明

  • 南砺市(2026年3月11日・民生経済部会・地域包括医療ケア部次長): 市販の見守りICT機器の購入費の2分の1・上限3万円を補助。対象は市内在住の満75歳以上の高齢者のみ世帯、または要介護認定を受けた65歳以上の高齢者のみ世帯。
  • 名護市(2026年3月9日・本会議一般質問・福祉部長): 民間救急事業者と連携した安否確認・駆けつけの実証事業を2026年1〜3月に実施。参加者は34名(2025年12月時点)。
  • 武蔵野市(2026年2月26日・本会議代表質問・市長): IoT家電による在宅高齢者の見守りを想定。機器は未定で、常時見守りができる方式の採用を目指す。

南砺市の次長は、従来の見守り機器の実証では家庭や身体の状況、家族構成により「必ずしも使い勝手がよいとは言えない」結果が出たと説明した。市場に流通する多様な機器から利用者が選ぶ方式とし、対象機器は市に登録のうえホームページやLINEで周知する。要介護認定者にはケアマネジャーの研修を通じた周知も図る。

名護市の実証は、モデル地区で区長・民生委員が対象高齢者を選び、自宅にWi-Fi機能と見守りセンサーを設置する方式。一定時間検知がない場合に家族または民間救急へ通知する。福祉部長は、緊急連絡先の確保、見守る側の負担感、機器導入費・維持費を課題に挙げた。既存の緊急通報システムには、今年度から室内温度と人感センサーによる24時間見守り機能を追加した。

武蔵野市長は、電球・ポット・冷蔵庫などのIoT家電で異変を検知し、緊急連絡先への通知と事業者の代理訪問につなげる仕組みを説明した。水道検針は2ヶ月に1度のため、より常時性の高い方式を採用したいと述べた。

背景

内閣府の令和7年版高齢社会白書は、65歳以上の一人暮らし世帯の増加傾向を示しており、独居高齢者の安否確認は自治体共通の課題になっている。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「見守り」と「センサー」の両方に言及した議会答弁関連の記録が99自治体で確認されている(時点: 3市の答弁はいずれも2026年2〜3月議会)。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。