生活保護のケースワーカー、標準数満たせず——旭川5人・富山4人不足、日野は市長が陳謝

関連自治体: 北海道旭川市 / 富山県富山市 / 東京都日野市

北海道旭川市は2026年3月13日の市議会予算等審査特別委員会分科会で、生活保護を担うケースワーカーが社会福祉法の標準配置数118人に対し現員113人にとどまり5人不足していると明らかにした。標準数を満たせない状態は富山市や日野市の議会でも同時期に報告され、いずれも解消のめどは立っていない。

各市の表明

  • 北海道旭川市(2026年3月13日・予算等審査特別委員会民生子育て文教分科会・福祉保健部長): 1月末現在の被保護世帯9,480世帯を、社会福祉法の標準である80世帯に1人で割り返した118人が標準配置数となるが、現員は113人で5人不足していると答弁した。毎年の人事異動期に法定標準数の配置を求めているが、予期せぬ病気休暇や年度途中の退職で不足が生じる。保護課の職員構成は50代後半の役職者と、新卒から4年目までの若手が各係の半数を占め、30代から40代の中堅層が少ない二極化の状態にある。若手職員の育成・定着と、福祉専門職や査察指導員の活用が課題だとした。
  • 富山県富山市(2026年3月5日・本会議代表質問・福祉保健部長): 社会福祉法で定めるケースワーカー1人当たりの担当世帯数は80世帯が標準で、必要とされる29人に対し現状は4人不足していると答弁した。ケースワーカーのワークライフバランスと支援の質の維持・向上の観点から増員は必要だとし、令和8年度に従事する職員を増員するほか、業務を支援する会計年度任用職員を雇用して負担軽減を図るとした。
  • 東京都日野市(2026年3月26日・予算特別委員会総括質疑・市長): 生活保護受給者が死後2年9ヶ月を経て発見された事案を受けた質疑で、ケースワーカーが4人、査察指導員が1人不足しているのに対し、令和8年4月時点でケースワーカー1人しか補充できなかったと説明した。市長は基準値だけでも満たす人員配置を約束していたが果たせなかったとして「お詫び申し上げたい」と陳謝し、複数の現場で職員が不足しているとしたうえで、職員課を中心に抜本的な増員に取り組むと述べた。

背景

社会福祉法は、福祉事務所で生活保護の相談・訪問調査などを担う現業員(ケースワーカー)の標準数を、市部で被保護世帯80世帯につき1人と定めている(第16条)。厚生労働省によると、福祉事務所は生活保護法など福祉6法の事務を担う第一線機関で、被保護世帯の増加を背景に標準数からの乖離が続いてきた。旭川市や日野市では、若手への偏りや退職による欠員で経験を組織に蓄積できない構造も答弁で示された。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「ケースワーカー」と生活保護の標準数・不足・欠員・負担のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が102自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。