専門職を確保できず福祉の直営を断念——松阪市は基幹相談支援を委託、滝沢市は産後ケア外部化を検討

関連自治体: 三重県松阪市 / 岩手県滝沢市

三重県松阪市は2026年1月23日の市議会環境福祉委員会協議会で、障害者基幹相談支援センターの中核を担う主任相談支援員が市内に数名しかいないことから直営運営を断念し、社会福祉法人への5年間の業務委託により2026年4月に開設すると明らかにした。有資格の専門職を自前で確保できず、自治体が福祉・母子保健サービスの直営を見送って委託や外部化に踏み切る動きが各分野で続いている。

各市の表明

  • 三重県松阪市(2026年1月23日・環境福祉委員会協議会・市障害福祉課長): 直営か委託かを協議したが、主任相談支援員が市内に数名しかいない現状から業務委託を選んだと答弁した。事業者選定のプロポーザルには1社のみが応募し、社会福祉法人を最優秀提案者に決定。契約期間は令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間で、主任相談支援員1名と相談支援専門員を配置する。福祉会館内の従来の相談支援センターは3月末で業務を終え、市役所1階の障害福祉課内へ移設する。当面2年間は民間事業者との兼務措置をとるとした。
  • 岩手県滝沢市(2026年2月4日・定例会2月会議・健康子ども部長): 産後ケアのデイサービス型を市直営で実施しているが、担当は会計年度任用職員1名で、助産師のほか保健師・保育士・看護師が必要に応じて対応していると答弁した。夜間・宿泊型は市直営施設での実施は困難とし、利用者負担のない近隣市町の宿泊施設を活用する方策や広域連携を検討するとした。分娩施設を持たない市として広域の医療連携が必須だとも述べた。

背景

2024年4月施行の改正障害者総合支援法により、市町村における基幹相談支援センターの設置が努力義務化された(内閣府)。センターには相談支援専門員や主任相談支援員などの有資格の専門職を配置することが求められる一方、厚生労働省は相談支援専門員の人材確保と資質向上を相談支援体制整備の課題として挙げている。専門職を確保できずに直営を見送り、委託や広域での外部化を選ぶ判断は、母子保健など隣接分野にも及ぶ。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「専門職の確保・不足」と「委託・外部化」の両方に言及した議会関連記録が451自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。