職員採用、論文廃止・通年募集へ見直し

関連自治体: 富山県 / 北海道函館市 / 香川県観音寺市

富山県は2026年2月24日の県議会本会議一般質問で、2026年度から大卒程度の職員採用試験の論文と集団討論を廃止すると、副知事が表明した。民間企業との人材獲得競争を背景に、試験の民間就職選考型への転換、テストセンター受験、通年募集といった採用試験の見直しが各自治体で進んでいる。

各自治体の表明

  • 富山県(2026年2月24日・県議会本会議一般質問・副知事): 大卒程度試験の論文・集団討論を廃止し、早期実施の試験枠に総合行政などの職種を追加、職務経験者試験は年1回から春・秋の2回に増やすと答弁した。技術系職種では、民間の就職選考で使われる基礎能力検査を活用し夏前に合格発表する試験枠をすでに設けている。
  • 北海道函館市(2026年3月16日・本会議一般質問・総務部長): 一般事務職(大学卒)の受験倍率は2022年度7.7倍から2024年度3.2倍に低下、2025年度は申込186人・受験167人で4.8倍と答弁した。2023年度に教養試験を総合適性検査へ変更し、全国約300カ所のテストセンターで受験日を選んで受験できる方式とした。申込から合格通知までの手続きはおおむねデジタルで完結する。
  • 香川県観音寺市(2026年3月11日・本会議一般質問・政策部長): 土木技術職の上級試験は2年連続で応募者ゼロと答弁した。公務員志望者の減少と採用予定者の辞退率上昇を踏まえ、土木技術職の通年採用試験の早期導入をはじめとした採用方法の見直しと、媒体を活用した魅力発信で人材確保に努めるとした。

専門職の確保難が先行

函館市の答弁では、土木・建築・獣医師・薬剤師の4職種を対象に2025年度は4月から12月まで随時募集を行い、土木・建築で一定の効果があった一方、獣医師・薬剤師は採用に至らなかったことも示された。20歳代から30歳代の職員の退職は直近5年間で各年度おおむね10人前後で推移しており、40歳未満の民間等経験者向け採用区分や10月入庁の選択制も導入している。

観音寺市の政策部長は、全職種で人材確保に苦慮する事態も想定されると述べ、専門職に限らない構造的な課題との認識を示した。

背景

総務省「令和5年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」によると、地方公務員の競争試験の受験者数は減少傾向が続き、2023年度の競争率は4.6倍と10年前の7.0倍から低下した。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「採用試験」に言及した議会関連記録が302自治体で確認されている。


出典:

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