会計年度任用職員頼み、処遇改善は進まず——厚岸町は無期転換「困難」、川島町は正規とほぼ同数

関連自治体: 北海道厚岸町 / 埼玉県川島町

北海道厚岸町は2026年2月1日の町議会本会議一般質問で、会計年度任用職員の無期雇用への転換について、1会計年度ごとの任用が原則だとして導入は難しいとの考えを示した。継続的な業務を非正規職員に頼りながら、雇用の安定や正規職員との待遇差の解消は進まない状態が、複数の議会で報告されている。

各自治体の表明

  • 北海道厚岸町(2026年2月1日・本会議一般質問・町長/総務課長): 議員が、保育士・調理員など継続的な業務でも毎年公募・任用を繰り返すため、業務の非効率や職員のモチベーション低下を招いていると指摘し、無期雇用への転換や寒冷地手当の支給を求めた。町長は、会計年度任用職員は1会計年度ごとに職の必要性と人数を協議して任用するものだと答弁した。総務課長は、寒冷地手当は国の基準で支給対象外だとして支給は困難とし、複数年任用は「検討されていくのであれば注視したい」と述べるにとどめた。勤勉手当は2025年度から支給を始めた。
  • 埼玉県川島町(2025年12月4日・本会議一般質問・総務課長/町長): 総務課長は、2025年11月1日時点で会計年度任用職員が159人(男性38人、女性121人)で、5年以上継続して勤務する職員が41人、週35時間以上のフルタイムに近い勤務者が32人いると答弁した。各課の合計は正規職員158人で、会計年度任用職員159人とほぼ同数だった。定型的・補助的な職務だとして、昇給上限5年の撤廃は否定した。町長は、他市が実施した非正規職員の正規登用特別枠について、定員管理165人のバランスを見ながら選択肢として考えたいと述べた。

継続勤務でも1年任用が続く

厚岸町の議員は、道内で非正規職員の公募試験を行わない自治体が出ていることを挙げ、町独自の処遇改善を求めた。総務課長は、地方公務員法の平等取扱いの原則を踏まえて毎年公募・選考を続けるとの考えを示した。川島町では、子育て支援課で会計年度任用職員56人、教育総務課で51人と、保育・学校現場に配置が偏る実態が答弁で示された。町長は、定員165人に対し正規職員が160人を切る中で新規採用の募集を続けていると説明し、職員の確保に苦慮する状況に触れた。

背景

会計年度任用職員制度は2020年4月に導入された。総務省の調査によると、地方公務員の臨時・非常勤職員は全国で74万人を超え、その多くを会計年度任用職員が占める。制度上は1年ごとの任用が原則で、勤勉手当の支給など処遇改善は段階的に進む一方、雇用の安定や正規職員との待遇差の解消は各自治体の裁量に委ねられている。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「会計年度任用職員」と処遇・雇用・確保などの課題に言及した議会関連記録が530自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。