民生委員のなり手不足、欠員埋まらず——野田市は欠員3倍・大田原市は充足率86.4%
関連自治体: 千葉県野田市 / 栃木県大田原市 / 福岡県筑紫野市
千葉県野田市は2025年12月10日の市議会本会議一般質問で、地域福祉を担う民生委員・児童委員の欠員が定数190人に対し15人に上り、前回の令和4年度改選時の5人から3倍に増えたと明らかにした。福祉部長が答弁した。担い手を確保できない状態は栃木県大田原市や福岡県筑紫野市の議会でも同時期に報告され、いずれも解消のめどは立っていない。
各市の表明
- 千葉県野田市(2025年12月10日・本会議一般質問・福祉部長): 2025年12月2日の一斉改選後、定数190人に対し現員175人で欠員は15人。3年ごとの改選時の欠員は令和元年度2人、4年度5人、7年度16人と拡大した。平成28年度以降に新任した74人のうち、今回の改選で16人が退任した。年代構成は60代が46.29%、70代が48.57%で高齢化が進む。福祉部長は協議会と協議しながら「新たな人材の掘り起こしに努める」と述べるにとどまり、確保策は決まっていない。
- 栃木県大田原市(2026年3月2日・本会議一般質問・福祉部長): 定数147人に対し欠員20人で、充足率は86.4%。令和元年度改選時の96.5%から低下した。欠員地区は近隣の委員が区域を超えて対応している。担当世帯は最多で543世帯(1,257人)、最少で51世帯(130人)と約10倍の格差があると答弁した。活動費は年額7万8,000円で、欠員解消に努めるとした。
- 福岡県筑紫野市(2026年3月23日・本会議一般質問・福祉部長): 定数159人に対し5人不足で充足率は97%。福祉部長は、全国的に充足率が低下傾向にあることから「将来的な担い手不足の懸念」があると認識を示した。委員1人当たり180〜360世帯を無報酬で担う負担が背景にある。次期改選に向け、ICT活用を含む有効な方策を「検討してまいります」とした。
背景
民生委員・児童委員は民生委員法に基づき厚生労働大臣が委嘱する非常勤の特別職で、報酬はなく活動費のみが支給される。厚生労働省によると、令和4年12月の全国一斉改選では定数249,971人に対し欠員が29,091人に上り、充足率は91.7%だった。無報酬を前提とした制度と、共働きの一般化や定年延長など社会環境の変化との間にずれが生じ、推薦する区長らも人選に苦慮している。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「民生委員」と担い手・なり手・欠員・確保のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が545自治体で確認されている。
出典:
- 野田市議会 2025年12月10日 令和7年12月定例会 本会議一般質問(動画: https://smart.discussvision.net/smart/tenant/noda/WebView/rd/schedule.html?year=2025&council_id=93&schedule_id=5 / 該当箇所 10:23頃〜、17:07頃〜)
- 大田原市議会 2026年3月2日 本会議一般質問(動画: https://otawara-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=3342 / 該当箇所 8:24頃〜、1:01:41頃〜)
- 筑紫野市議会 2026年3月23日 本会議一般質問(動画: https://chikushino-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1267 / 該当箇所 冒頭〜、9:15頃〜)
- 厚生労働省「民生委員・児童委員参考データ」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/minseiiin01/01.html)
- 当社データベース集計: 2025年7月以降の議会関連記録を対象に「民生委員」と「なり手/成り手/担い手/不足/欠員/確保/充足」のいずれかに言及した記録を集計(545自治体)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。