保健師の欠員埋まらず——五島市は5名欠員で地区に配置できず、岡山・香川は県支援でも解消せず

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長崎県五島市は2026年6月22日の市議会本会議一般質問で、市全体で保健師5名が欠員となり、離島の地区に保健師を配置できない状態が続いていると明らかにした。福祉保健部長が答弁した。母子保健や感染症、精神保健などの公衆衛生を担う保健師を確保できない状態は岡山県や香川県の議会でも同時期に報告され、県が市町村を支援してもなお解消のめどは立っていない。

各市の表明

  • 長崎県五島市(2026年6月22日・本会議一般質問・福祉保健部長): 市全体で保健師の欠員が5名に上り、奈留地区をはじめ離島の地区に保健師を常駐配置することは難しいと答弁した。育児休業中の職員が復帰しても、その後の保健師の確保数を踏まえて判断することになるとした。当面は会計年度任用職員の看護師の配置や、本庁の地区担当保健師が定期的に出向くことでサービス低下を防ぐとしたが、確保策は示されなかった。議員は、障害者の就労相談や配食・通院・子どもの発育の相談先が地区で示されていないとの市民の声を読み上げた。
  • 岡山県(2026年6月24日・本会議一般質問・保健医療部長): 県内の大学等の保健師養成数はここ数年130人、国家試験の新卒合格者は120人前後で推移し、看護師など保健師以外に就いている潜在保健師は約6割に上ると答弁した。あわせて、2040年までに大学進学者数が約27%減ると見込まれ、受験資格を得る人の減少も予想されるとした。県は合同研修や業務説明会、ホームページでの採用情報の一元発信で市町村保健師の確保を支援するとした。
  • 香川県(2026年7月8日・本会議一般質問・知事): 骨粗鬆症検診の導入促進のため、希望する市町へ在宅保健師を派遣する人的支援を行い、検診を導入した市町は令和5年度の3市町から令和8年度は12市町に増えたと答弁した。一方、県内の市町では在籍する保健師が少なく、欠員が生じると通常業務で手一杯になる慢性的な保健師不足が課題だとした。知事はホームページでの業務の魅力紹介や県・市町合同研修で定着を支援するとしたが、不足の解消には至っていない。

背景

保健師は地域保健法に基づき、母子保健や感染症対策、精神保健などの公衆衛生を担う専門職で、市町村や保健所に配置される。厚生労働省の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」は、都道府県が市町村の求めに応じて保健師の確保や研修を支援するよう定めている。しかし養成数の頭打ちと業務の多様化が重なり、確保は各自治体に委ねられた状態が続く。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「保健師」と確保・欠員・不足・採用・募集・充足・定着のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が457自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。