医師確保へ地域枠・寄附講座、3自治体が対策

関連自治体: 長野県 / 新潟県阿賀野市 / 北海道日高町

長野県は2026年2月26日の県議会本会議で、将来県内の医療を支える医師を確保するため、医学部の地域枠を計29名分設けていると健康福祉部長答弁で明らかにした。深刻化する医師不足を背景に、地域枠の拡大や大学との寄附講座、病院医師の直接採用など、確保策を示す自治体が相次いでいる。

各市の表明

  • 長野県(2026年2月26日・県議会本会議・健康福祉部長): 将来県内の医療を支える医師の確保を目的に、信州大学22名、東京科学大学5名に加え、令和8年度入学から昭和医科大学2名を加えた計29名分の医学部地域枠を設けていると答弁した。県立病院では大学からの麻酔科医師の派遣が困難となり、令和8年度以降に分娩を扱う産科医療体制の維持が難しくなる見通しで、議員が地域枠のさらなる拡大を求めた。
  • 新潟県阿賀野市(2026年2月26日・市議会本会議・市長): 新潟大学医学部と連携し、市民病院に寄附講座を開設していると答弁した。生活習慣病予防治療医学講座など複数の講座を平成27年の開設以降順次配置し、令和7年度は5名の教員が配置されている。来年度から循環器系の講座を新たに設ける予定で、内視鏡検査の実施日数が増えるなど診療機能の拡充につながっているとした。
  • 北海道日高町(2026年1月の町議会1月会議・行政報告・町長): 町立の門別国民健康保険病院の医師確保に向けて活動した結果、内科・泌尿器科を専門とする医師1名の採用が決定したと報告した。令和8年3月1日から勤務を開始する予定で、地域医療への貢献に期待するとした。

背景

医師の地域的な偏在は全国的な課題で、専門研修やキャリア形成のために都市部が選ばれやすいことや、産科・小児科・救急など負担の重い診療科が敬遠されやすいことが要因とされる。国は2024年12月に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定し、経済的な支援や医師少数区域への医師派遣の仕組みを整えるとともに、都道府県が「重点医師偏在対策支援区域」を設定する枠組みを設けた(厚生労働省)。医学部の地域枠は、都道府県が定める区域での一定期間の勤務を条件に学生を受け入れる仕組みで、大学との寄附講座や病院ごとの採用活動とあわせ、確保策は自治体の規模に応じて多様化している。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「医師」と「確保」の両方に言及した議会関連の記録が713自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。