周産期・小児医療、オンライン活用へ相次ぐ議会表明

関連自治体: 岩手県 / 熊本県 / 奈良県香芝市 / 福島県二本松市

岩手県は2026年3月12日の県議会委員会審査で、2026年度当初予算案に県内全ての救急車と分娩取扱医療機関へ医療用コミュニケーションアプリを導入する経費を盛り込んだと明らかにした(地域医療推進課長答弁)。

分娩取扱施設の減少や小児科医の不足を背景に、2026年3月の議会では周産期・小児医療へのICT・オンライン活用の表明が相次いだ。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「小児」と「オンライン診療」の両方に言及した議会答弁関連の記録が26自治体で確認されている。

行政はこう表明した

  • 岩手県(2026年3月12日・委員会審査・地域医療推進課長): 2026年度当初予算案に全救急車・全分娩取扱医療機関への医療用コミュニケーションアプリ導入経費を計上。無痛分娩ができる環境の整備、複数市町村の共同実施による産後ケア体制の構築支援も進めると答弁した。
  • 熊本県(2026年3月12日・厚生常任委員会・医療政策課長): へき地医療は県が関与する医師派遣(今年度81人)だけでは限界があるとし、医療機器を積んだ車両に看護師が乗って公民館などに出向く「医療MaaS」型の取り組みや、オンラインでの効率化を医師派遣と組み合わせる「合わせ技」が現実的だと答弁した。
  • 奈良県香芝市(2026年3月3日・本会議・市長施政方針): 妊産婦を受け入れ可能な医療施設が市内1施設のみであることを課題とし、2025年11月に県知事へ病床確保の要望書を提出した。2026年5月に市内で開院予定の病院への産科・小児科等の誘致について、法人関係者から前向きな返答を得たと表明した。
  • 福島県二本松市(2026年3月4日・本会議一般質問・保健福祉部長): 議員が提案した小児オンライン診療の導入について、単独の市町では費用が高くつくため広域圏での検討を呼びかけたいと答弁した。医師会の理解が前提で直ちの導入は難しいとしつつ、検討する考えを示した。

背景

厚生労働省の検討会は2026年度を目途に、標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた制度設計を進めるとしている。岩手県の答弁でも国のこの検討への対応が言及された。子ども医療電話相談(#8000)は2010年から全47都道府県で実施されており、二本松市の質疑ではその先の選択肢としてオンライン診療が取り上げられた。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。