基幹システム標準化、期限内に終わらず——藤沢市は運用経費2.8億円増、宝塚市は9業務が期限後へ

関連自治体: 神奈川県藤沢市 / 兵庫県宝塚市 / 京都府京都市

神奈川県藤沢市は2026年3月5日の市議会予算等特別委員会で、基幹業務システムの標準化に伴う運用経費が令和8年度に約2億8,300万円増える見通しを示した。国が2025年度末を期限に進める標準化とガバメントクラウドへの移行は、経費の増大と移行の遅れが各地の議会で報告され、期限内の完了に至っていない。

各市の表明

  • 神奈川県藤沢市(2026年3月5日・予算等特別委員会・市当局): システム利用に係る経費が令和5年度予算の約5億3,500万円から、令和8年度は8億1,800万円となり、約2億8,300万円増える見通しと答弁した。増額の大きな要因はガバメントクラウド利用料等と説明した。標準化にかかる国の補助金は上限額の引き上げ後も約1億9,600万円が不足しているとし、地方交付税による措置ではなく国の責任と財源での実施を要望していると述べた。移行そのものは大半のシステムが終わったが、特定移行支援システムは令和9年3月まで、標準仕様書に適合しない経過措置適用機能21件は令和10年度末までに対応する予定とした。
  • 兵庫県宝塚市(2026年3月6日・委員会・経営改革担当部長ほか): 標準化の対象20業務のうち11業務が今年度に移行を完了し、残る9業務は令和8年度・9年度の2か年で対応する予定と答弁した。当初の見込みより遅れが生じているのは事実と認めた。標準化は令和7年度に終える法律の立て付けだが、間に合わないものは国に申請し例外として認められたものと説明した。
  • 京都府京都市(2026年3月2日・予算特別委員会・選挙管理委員会事務局): 大型汎用コンピュータで運用する選挙関係システムを、国が示す標準仕様書に準拠したパッケージへ移行する経費として4,000万円を計上したと説明した。内訳はシステム構築・データ移行に2,700万円、ガバメントクラウド関係に1,300万円。令和7年度に移行業者を決め、令和9年度の移行完了を目指して作業中とした。

背景

基幹業務システムの標準化は、住民記録・税・福祉など20業務のシステムを国の標準仕様へ統一し、ガバメントクラウドへ移す取り組みで、原則の移行期限は令和7年度末(2026年3月)とされている。デジタル庁は、事業者のリソース不足などで期限内に移行できないシステムを「特定移行支援システム」と位置づけ、支援期間を令和12年度末まで延長した(デジタル庁)。藤沢市の答弁では、標準化前後で市税収がおおむね3%増だった一方、システム経費は約6.6%増となり、負担が重くなっているとの認識が示された。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「ガバメントクラウド」と移行または標準化のいずれかに言及した議会関連記録が115自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。