関係人口施策、移住定住と両輪で 3市町が捉え方拡張

関連自治体: 岩手県陸前高田市 / 愛知県東栄町 / 静岡県湖西市

岩手県陸前高田市は2026年2月25日の市議会定例会一般質問で、関係人口を「移住した定住人口でも観光の交流人口でもなく、地域に多様に関わる人々」と位置づけ、大学連携やふるさと住民登録制度のモデル事業申請を通じて創出に取り組む方針を副市長答弁で示した。移住定住の促進に関係人口の視点を重ねる動きが、複数の自治体議会で相次いでいる。

各市の表明

  • 岩手県陸前高田市(2026年2月25日・令和8年第1回定例会 一般質問・副市長): 関係人口施策として、陸前高田市民制度、市民と大学生の交流事業、首都圏での関係人口創出イベント、プロスポーツチームとの友好協定に基づく交流を実施してきたと答弁した。関係人口は移住した定住人口でも観光の交流人口でもなく、地域や地域の人々と多様に関わる人々だとし、国が10年後に全国で1000万人の創出を目標に掲げていると説明した。立教大学とは平成15年度から林業体験を通じた住民交流を続け、昨年12月には中央大学と包括連携協定を締結したとし、ふるさと住民登録制度はモデル事業に申請中、二地域居住は検討を継続するとした。
  • 愛知県東栄町(令和7年第4回定例会 一般質問・総務課長): 空き家活用支援補助金による移住者の住宅支援について、活用件数は直近3年で21件、交付額は約720万円だと答弁した。増加傾向にある二地域居住などを背景に、交流・関係人口から最終的に定住に結びつく流れを確立するため、空き家の幅広い活用や環境整備を検討する必要があると述べた。
  • 静岡県湖西市(2026年2月・令和8年3月定例会・企画部長): 人口減少の克服と地方創生を重点テーマとする第6次総合計画で、人の流れの捉え方を従来の移住・定住促進中心から関係人口の概念を含めた捉え方へ拡張していると答弁した。定住人口でも交流人口でもない地域外の人材が地域づくりの担い手となるよう、移住定住と関係人口の両方の増加に取り組む必要があると述べた。総務省が進めるふるさと住民登録制度が動き始めているとして、情報収集と調査研究に取り組む考えを示した。

背景

関係人口は、住所地以外の特定の地域に継続的に関わる人々を指す。政府は2026年3月27日、こうした人を可視化する「ふるさと住民登録制度」のガイドライン(Ver.1.0)を公表し、専用アプリでの登録を通じ関係人口の量的拡大と質的向上を図るとした。制度のモデル事業には全国から161自治体が応募し、7道県と37市町村が対象に選ばれている(総務省)。国は地方創生の交付金でもUIJターン者への移住支援金などを支えている(内閣官房・内閣府)。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「移住」と「関係人口」の両方に言及した議会答弁関連の記録が410自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。