移動スーパー撤退・スーパー閉店、買い物の足埋まらず——色麻町420人・神埼市2197人が食料品アクセス困難
関連自治体: 宮城県色麻町 / 佐賀県神埼市 / 福岡県太宰府市
宮城県色麻町は2026年3月4日の町議会一般質問で、町内唯一の食品スーパーが1月末に閉店し、食料品アクセス困難人口が420人に上ると明らかにした。店舗の撤退や移動販売の継続困難で日常の買い物の場が失われる事態は佐賀県神埼市や福岡県太宰府市の議会でも同時期に報告され、いずれも代替策は検討・調査研究の段階にとどまっている。
各市の表明
- 宮城県色麻町(2026年3月4日・本会議一般質問・保健福祉課長): 2026年1月末に町内唯一の食品スーパー(Aコープ)が閉店し、周辺の高齢者が遠方まで行かないと買い物ができない状態になったと説明した。農林水産省の市町村別推計(2020年)では、店舗まで直線距離500メートル以上かつ自動車利用が困難な65歳以上の食料品アクセス困難人口は420人で、65歳以上の17.9%。65歳以上の単身世帯は233世帯に上る。町は現在は家族の支援や宅配で購入手段が確保されているケースもあるとしつつ、さらなる実態把握と移動販売事業者との連携、宅配サービスの活用促進を段階的に検討するとした。具体策は決まっていない。
- 佐賀県神埼市(2026年3月2日・本会議一般質問・総務企画部長): 農林水産政策研究所の定義に基づく食料品アクセス困難人口は2197人で、2020年時点で市の該当層の22.5%と答弁した。中山間部の脊振地区では、簡単な買い物は地区内の販売所、それ以外は市外の商業施設や民間の移動販売サービスに頼る状況にある。市は2026年10月1日から自宅付近で乗降できる新たな地域公共交通を運行する予定だが、買い物そのものの確保は民間サービスに委ねられている。
- 福岡県太宰府市(2026年3月11日・本会議一般質問・都市整備部長): シルバー人材センターが2020年10月から続けてきた移動スーパー「人巡り号」が、慢性的な赤字経営と車両のリース期間終了を理由に2026年2月末で終了したと説明した。市は2025年度に事業費の一部を助成して継続を支援したが、終了は止められなかった。対象は19地域に及ぶ。市は買い物弱者の増加への懸念を示し、民間事業者や地域団体との連携のあり方を「引き続き調査研究する」とした。
背景
食料品アクセス困難人口は、店舗まで直線距離500メートル以上かつ自動車利用が困難な65歳以上を指す農林水産政策研究所の指標で、2020年の推計は全国904万人、65歳以上の25.6%に上る(農林水産省)。地元商店やスーパーの撤退に、採算の合わない移動販売の縮小が重なり、宅配や送迎では埋めきれない層が残る。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「買い物難民」「買い物弱者」「買い物困難」「食料品アクセス」のいずれかに言及した議会関連の記録が152自治体で確認されている。
出典:
- 色麻町議会 2026年3月4日 一般質問(会議録の字幕データより・該当箇所 1:37頃〜、11:40頃〜)
- 神埼市議会 2026年3月2日 令和8年第1回定例会 本会議一般質問(会議録の字幕データより・該当箇所 8:52頃〜)
- 太宰府市議会 2026年3月11日 令和8年第1回定例会 本会議一般質問(動画: https://www.youtube.com/watch?v=F0_zaf-NPEw / 該当箇所 3:07頃〜、35:49頃〜)
- 農林水産省「2020年食料品アクセス困難人口の推計結果の公表及び説明会の開催について」(https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo01/240227.html)
- 当社データベース集計: 2025年7月以降の議会関連記録を対象に「買い物難民/買い物弱者/買い物困難/食料品アクセス」のいずれかに言及した記録を集計(152自治体)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。