道路点検、目視巡回の限界からAI×ドライブレコーダーへ——本格導入・試行・計画反映の3段階

関連自治体: 愛知県安城市 / 新潟県上越市 / 大分県大分市

愛知県安城市は2026年3月4日の市議会本会議で、ドライブレコーダー映像をAIで解析する「道路損傷箇所検出業務」を今年度から本格開始したと建設部長が答弁した。人手による巡回点検の限界を背景に、AIを使った路面点検は本格導入・試行・計画反映と、段階の異なる自治体で進む。

各市の表明

  • 愛知県安城市(2026年3月4日・本会議・建設部長): 令和5年度のドライブレコーダー映像とAIによる道路損傷検出の実証実験を経て、今年度から道路損傷箇所検出業務を本格開始したと答弁した。年額77万円で委託し、保険契約先企業が所有する計1,180台の車両が2ヶ月間市内を走行してドライブレコーダー画像を収集、AI解析で損傷の疑いのある箇所を検出したうえでオペレーターが目視判定しマップ化する。検出したポットホールは448件、うち直ちに補修が必要と判断したのは44件で、検出から補修完了までおおむね4日だった。従来は現業職員が幹線道路を中心に目視点検していたが、生活道路まで点検範囲が広がったとした。現状2ヶ月間の点検期間ではリアルタイムの把握が困難なため、点検間隔の短縮が今後の課題と述べた。検出件数が増えた場合の職員負担や優先順位付けの仕組みは、議員が論点として挙げた。
  • 新潟県上越市(2026年3月5日・予算審査の委員会・道路課長): 維持管理業者のパトロール車にカメラを取り付け、録画画像からAIで舗装の損傷状態を診断する調査を令和6年度から試行的に始めたと答弁した。診断結果は舗装の修繕計画に活用する。令和6年度は合併前の上越市で実施して損傷状況を図面化し日常の維持管理に用いており、令和7・8年度は頸城・三和・名立の3区で路面性状調査を実施するとした。
  • 大分県大分市(2026年3月13日・本会議・市長): 令和7年3月末時点で総延長約2,500kmに達する市道について、大分市道路整備保全計画を策定したと答弁した。橋梁や舗装などの個別計画に基づき予防保全を基本とし、定期点検や診断に基づく計画的保全を進める。今後は橋梁や横断歩道橋等の集約撤去を検討するとともに、AI技術等の活用や補修の優先順位の精査により、さらなる経費削減や効率化を図る方針を示した。

背景

国土交通省の舗装点検要領(2016年10月)は、ひび割れ率・わだち掘れ量・IRI(国際ラフネス指標)の3指標で路面を管理し、損傷の進行が早い道路は5年に1回程度以上の頻度を点検の目安とする。国は点検の合理化に向けて新技術の活用を促し、「点検支援技術性能カタログ」を策定して活用可能な技術を掲載している(2021年10月時点で131技術)。事後対応から予防保全への転換が進む中で、ドライブレコーダーやパトロール車のカメラ画像をAI解析する路面点検の導入が続く。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「舗装」と「AI」の両方に言及した議会関連記録が69自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。