除雪の担い手足りず、確保策決まらず——上越は住民1500人頼み、横手は募集しても集まらず
関連自治体: 新潟県上越市 / 北海道木古内町 / 秋田県横手市
豪雪地帯の自治体で、道路や要援護世帯の除雪を担う事業者・作業員を確保できない状態が続いている。新潟県上越市は2026年1月30日の市議会厚生常任委員会で、要援護世帯の玄関前除雪を委託する専門事業者が不足し、地域住民の力に頼らざるを得ない現状を明らかにした。健康福祉部の課長が答弁した。同種の担い手不足は北海道木古内町や秋田県横手市の議会でも同時期に報告され、いずれも確保の道筋は立っていない。
各市の表明
- 新潟県上越市(2026年1月30日・厚生常任委員会・健康福祉部の課長): 大雪時は道路除雪が優先され、要援護世帯の玄関前除雪を担う専門事業者の手が回らずタイムラグが生じていると答弁した。市は事業者一覧を作成し登録を促しているが埋まらず、昨年度は地域住民約1500人が除雪を担った。住民同士の支え合いを促すため報酬の目安を1時間4000円程度と示し、民生委員を通じた紹介・マッチングを進めるが、確保策は決まっていない。
- 北海道木古内町(2026年2月12日・総務経済常任委員会・保健福祉課長): 町の除雪サービスを高齢者事業団に委託していると報告した。作業員は毎年11〜12人で、1シーズンに90数件から100件超を担う。委託料は1件あたり月6000円で、大雪による作業負荷の増大と物価高騰・最低賃金上昇を踏まえ、次年度は7000円への引き上げを検討する。高齢者向けの屋根の雪下ろし助成では、登録14事業者のうち実際に屋根に上がって作業するのは3事業者にとどまると答弁した。
- 秋田県横手市(2026年2月18日・3月定例会本会議・建設部長): 除雪作業の51%を委託業者が担っていると答弁した。委託業者には契約上年間80時間の最低保証があるが、作業員を募集しても集まらないと議員が指摘した。今年度は累積積雪が5メートルほどながら出動回数が平均27回に上り、2月2日の臨時会で除雪費7億円を増額した後、1ヶ月足らずでさらに9億5000万円の追加補正を提案した。
背景
除雪の担い手は、公共事業の縮小に伴う地域建設業者の減少とオペレーターの高齢化で細っている。上越市のように専門事業者を住民の支え合いで補う動き、木古内町のように高齢者団体が担う仕組み、横手市のように委託業者への依存を続ける形と、代替の組み方は自治体ごとに分かれる。国土交通省は豪雪地帯対策の重点施策として「除排雪の担い手の確保と除排雪体制の整備」を掲げ、除排雪事業者の確保や建設業の担い手確保、契約方法の改善などに取り組むとしている。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で除雪・排雪と担い手・事業者・委託業者・確保のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が303自治体で確認されている。
出典:
- 上越市議会 2026年1月30日 厚生常任委員会(1月臨時会)(動画: https://www.youtube.com/watch?v=mP6RtKk4qAE&t=239s / 該当箇所 3:59頃〜、13:03頃〜)
- 木古内町議会 2026年2月12日 総務・経済常任委員会(動画: https://www.youtube.com/watch?v=bj2x5I0Fse0&t=1109s / 該当箇所 18:29頃〜、27:34頃〜)
- 横手市議会 2026年2月18日 令和8年3月定例会 本会議(動画: https://www.youtube.com/watch?v=7uFDkoNY2q0&t=1585s / 該当箇所 26:25頃〜)
- 国土交通省「豪雪地帯対策における施策の実施状況等」(令和7年2月)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001864515.pdf)
- 当社データベース集計: 2025年7月以降の議会関連記録を対象に「除雪」または「排雪」と「担い手/事業者/委託業者/受託/確保/高齢化/オペレーター/後継」のいずれかに言及した記録を集計(303自治体・1,531件)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。