医療的ケア児、保育・学校で受け入れ進まず——羽島市は保育「ゼロ」・仙台市は付き添い頼み
関連自治体: 岐阜県羽島市 / 宮城県仙台市 / 岩手県金ケ崎町
岐阜県羽島市は2025年12月10日の市議会12月定例会一般質問で、市内の私立保育園・私立認定こども園・公立幼稚園のいずれにも医療的ケア児を受け入れている施設がないと明らかにした。看護師の確保や体制整備が壁となり、保育・学校の受け入れが進まない状態は、宮城県仙台市や岩手県金ケ崎町の議会でも報告された。
各市の表明
- 岐阜県羽島市(2025年12月10日・令和7年第5回12月定例会一般質問): 市当局は、市内の私立保育園・私立認定こども園・公立幼稚園で医療的ケア児を受け入れている施設はないと答弁した。学校については、教育長が、これまで対象となる児童生徒の在籍がなかったためガイドラインの策定に至っておらず、いつでも受け入れが可能となるよう現在策定に向けて取り組んでいると述べた。策定には他自治体のガイドラインを参考にし、医療・福祉・学校教育の関係者から意見を聴取するとした。
- 宮城県仙台市(2026年2月18日・令和8年第1回定例会本会議一般質問・教育局長): 学校生活で保護者の付き添いを協力依頼している場合があると認めた。医療的ケアを必要とする児童生徒には看護師が福祉タクシーに同乗して通学を支援しているとし、宿泊を伴う行事の夜間の医療的ケアについて、新年度から対応する看護師を新たに配置し、これまで保護者に頼らざるを得なかった付き添いを不要とすると答弁した。
- 岩手県金ケ崎町(2026年2月18日・令和8年予算審査特別委員会): 医療的ケアのための看護師配置事業について、町は、対象の児童は2名で、看護師3名分の人件費を要求していると答弁した。シフト制とし、1日1人の看護師が必ず出勤する体制を組んでいるとした。
背景
医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(2021年9月施行)は、学校の設置者に対し、在籍する医療的ケア児が保護者の付き添いがなくても医療的ケアを受けられるよう、看護師等の配置その他の措置を講じるものと定めている(こども家庭庁)。保育所や認定こども園、家庭的保育事業でも、家族の付き添いなしで通えるよう看護師や准看護師、たんの吸引等ができる保育士らの配置が求められる。都道府県には医療的ケア児支援センターの設置が義務付けられた。在宅の医療的ケア児は増加傾向にあり、法の理念と現場の受け入れ体制との間に開きが残る。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「医療的ケア」と看護師・受け入れ・配置・保育・確保のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が288自治体で確認されている。
出典:
- 羽島市議会 令和7年第5回12月定例会 2025年12月10日 一般質問(動画: https://www.youtube.com/watch?v=bd9O8vfwEbc / 該当箇所 8:48頃〜、19:55頃〜)
- 仙台市議会 令和8年第1回定例会 2026年2月18日 本会議一般質問(議会中継の字幕データより・該当箇所 31:15頃〜)
- 金ケ崎町議会 令和8年予算審査特別委員会 2026年2月18日(議会中継の字幕データより・該当箇所 25:49頃〜)
- こども家庭庁「医療的ケア児等とその家族に対する支援施策」(https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/care-ji-shien)
- 当社データベース集計: 2025年7月以降の議会関連記録を対象に「医療的ケア」と「看護師/受け入れ/受入/配置/保育/預か/確保」のいずれかに言及した記録を集計(288自治体)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。