こども家庭センターとは——2024年度からの設置努力義務と自治体の運用課題
こども家庭センターは、2022年6月成立の改正児童福祉法(令和4年法律第66号)により、2024年4月1日から市区町村での設置が努力義務とされた子育て支援の拠点である。母子保健と児童福祉の機能を一体化し、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援をおこなう。設置は各自治体の判断に委ねられ、体制整備の進み方には差が出ている。
根拠法と施行時期
制度の根拠は、児童福祉法等の一部を改正する法律(令和4年法律第66号)である。児童虐待の相談対応件数が増加を続けたことなどを背景に、2022年6月に成立し、こども家庭センターに関する規定は2024年4月1日に施行された。改正では、市区町村の業務に「要保護児童等への包括的かつ計画的な支援の実施」が追加された(こども家庭庁)。
何を担う拠点か
こども家庭センターは、従来別々に置かれてきた母子保健機能の「子育て世代包括支援センター」と、児童福祉機能の「子ども家庭総合支援拠点」を統合した組織である。両機能を一体で運用し、子どもや妊産婦、子育て世帯を福祉・保健の両面から支援する。
支援を要する子どもや妊産婦などについては、個別の支援計画である「サポートプラン」を作成する。相談から支援までを同じ窓口で受け止め、関係機関につなぐ役割を担う(厚生労働省)。
設置は努力義務、進捗に差
設置は義務ではなく努力義務であり、整備の時期や体制は自治体ごとに異なる。こども家庭庁の調査では、令和6年5月1日時点で全国1,741の市区町村のうち設置済みは876自治体、割合にして50.3%だった。制度開始からおよそ1年の時点で、設置済みは全体の約半数にとどまっていた。
母子保健と児童福祉という所管の異なる部門を一体運用するには、組織の再編や専門人材の確保が前提になる。改正法では、子ども家庭福祉の実務を担う認定資格「こども家庭ソーシャルワーカー」も創設された。設置後は、両部門の連携や人員体制の確保が運用上の課題になる。
当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「こども家庭センター」に言及した議会関連の記録が6自治体で確認されている。設置の判断や体制づくりが、各地の議会で議論の対象になっている。
出典:
- こども家庭庁「令和4年6月に成立した改正児童福祉法について」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/Revised-Child-Welfare-Act)
- 厚生労働省「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和4年法律第66号)の概要」(https://www.mhlw.go.jp/content/000994205.pdf)
- こども家庭庁「こども家庭センターの設置状況」(令和6年5月1日時点・876自治体/50.3%)(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/setchijokyochosa)
- 当社データベース集計: 2025年7月以降の議会関連記録を対象に「こども家庭センター」に言及した記録を集計(6自治体・60件)