夏休みの学童、昼食と居場所が埋まらない——甲州市は業者が500円未満に対応できず、城里町は開所11時間
関連自治体: 山梨県甲州市 / 茨城県城里町 / 沖縄県浦添市 / 宮城県気仙沼市
山梨県甲州市は2026年6月19日の市議会6月定例会で、放課後児童クラブの夏休み期間中は弁当持参をお願いしていると答弁した。保護者アンケートでは500円未満での利用希望が82.9%だった一方、物価高騰の影響で業者からは500円未満での対応は困難との確認を得たとし、直ちに昼食提供を開始することは困難だとした。給食のない40日間をどう埋めるかが、昼食・居場所・支援員の3つの面で各地の議会に上がっている。
各市町の表明
- 山梨県甲州市(2026年6月19日・6月定例会・市): 放課後児童クラブでは現在、夏休み期間中は弁当持参をお願いしている。昼食補助については保護者の負担軽減や利便性向上につながるとの認識で、昨年度に保護者アンケートを実施した結果、利用意向者は69.1%、500円未満での利用希望者は82.9%だった。しかし物価高騰の影響で、業者からは500円未満での対応は困難との確認を得た。このため直ちに昼食提供を開始することは困難だが、発注業務に伴う体制構築など管理運営について今後も調査研究を進めると答弁した。
- 茨城県城里町(2026年6月17日・第2回定例会一般質問・健康福祉課長): 夏休み等の長期休業中は、小学校の通常授業期間とは異なり朝から夕方まで10時間から11時間の開所となり、支援員は交代制の勤務となる。そうした状況の中、公設児童クラブにおいて、長期休業中に現在の在籍支援員数では不足になる恐れがあると回答した児童クラブが1箇所あったとし、対応として支援員の募集を今後行っていくと答弁した。町は公設5施設、民設3施設の放課後児童クラブを開設しており、本年度は定員に余裕のある公設児童クラブ1か所で、長期休業中の一時預かりの募集を行う計画だとした。
- 沖縄県浦添市(2026年6月15日・6月定例会一般質問・市): 長期休暇期間に特化した子どもの居場所づくりについて、学童の需要が一時的に増加することへの有効な施策として調査していると答弁した。学校施設の活用については、令和8年2月の教育委員会との協議で、教室や特別教室は長期休暇中も学校業務等で使用があり安全管理面で開放が困難であるとされ、地域連携室など学校業務と動線を分けて使用できる施設については使用の可能性を確認したものの、「その後、教育委員会との具体的な進捗には至っておりません」とした。需要が高い小学校区では、子ども園や児童センター、自治会事務所といった地域の社会資源での実施可能性や運営方法を調査しているとし、令和9年度のモデル実施も視野に、できるだけ早期の実施を目指すとした。ニーズ調査は10月に予定している令和9年度学童クラブの申し込み期間に合わせて実施を検討しているが、10月までに長期休暇限定のサテライト実施の見込みを決定することは難しいとした。
- 宮城県気仙沼市(2026年6月24日・第155回定例会一般質問・市): 令和3年の調査結果では、夏休み期間中の昼食について「ほとんど食べていない」が0.4%だったとしたうえで、民間団体の調査でも支援を必要とする世帯の食の困窮が示されているとした。これらを踏まえ、子ども食堂の運営経費の一部を補助するとともに、今年度からは長期休暇期間中に開設した場合の加算措置を設けたと答弁した。子ども食堂や子どもの居場所を運営する団体の連携強化のため交流ミーティングや勉強会を実施しており、今年度は8月・10月に支援者向けの勉強会を予定している。安定した食材の確保に向けて、市内のフードバンク事業者と関係団体が一体となった連携の場を設けるとした。また、長期休業期間が控えていることから、困った際に子どもがすぐ行動を起こせるよう連絡先カードを配布するとした。
背景
4市町の答弁は、夏休みという同じ期間に生じる別々の不足を示している。
昼食は、甲州市の数字が制約をそのまま表している。保護者の8割超が求める価格帯は500円未満であるのに、その価格で受託できる業者が見つからない。利用意向が69.1%あっても、供給側の価格が合わなければ事業として成立しない。
支援員は、期間の性質そのものが負荷になる。城里町が説明したとおり、授業のある日は放課後だけの開所で足りるが、長期休業中は朝から夕方まで10時間から11時間の開所になる。同じ人数では回らず、交代制の勤務が必要になる。
場所は、学校が使えるかどうかが分かれ目になる。浦添市の答弁は、長期休暇中も学校業務が続いており、安全管理の面から教室の開放が難しいという学校側の事情を伝えている。同市が子ども園、児童センター、自治会事務所を調べているのは、学校以外の場所を探す動きにあたる。
食の支援では、気仙沼市が今年度から長期休暇期間中の開設に加算措置を設けた。子ども食堂の開設日を夏休みに寄せるための誘導であり、あわせてフードバンク事業者との連携の場を設けるとしている。
長期休暇中の食については、全国規模の調査でも数値が出ている。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2025年6月に「子どもの食 応援ボックス」の申込世帯7,856世帯(子ども14,000人超、ひとり親世帯94.9%)を対象に実施した調査では、申込理由の9割が「物価上昇による食費の値上がりにより、十分な食料を買うお金がない」だった。同団体の2024年調査と比較すると、長期休暇中の昼食が「あまりとれていない」「とれていない」と回答した割合は8.8ポイント増加している。希望する支援としては、子どもの食について「食料支援」が72.6%、子育てをするうえで必要な支援として「現金給付」が72.8%と、それぞれ最も多かった。
当社データベースでは、過去1年(2025年8月以降のデータ)で「夏休み」「長期休業」等と「昼食」「弁当」「居場所」「学童」「放課後児童」等を同一の文の中で述べた議会答弁関連の記録が257自治体で確認されている。
出典:
- 甲州市議会 6月定例会ライブ(令和8年6月19日)(動画: https://www.youtube.com/watch?v=UKQglKVRhXU / 該当箇所 47:18頃〜)
- 城里町議会 令和8年第2回定例会 一般質問(令和8年6月17日)(動画: https://www.youtube.com/watch?v=PUB74u9H9Ic / 該当箇所 11:02頃〜)
- 浦添市議会 令和8年6月定例会(第217回定例会)令和8年6月15日 本会議 一般質問(動画: https://urasoe-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1377 / 該当箇所 46:25頃〜)
- 気仙沼市議会 令和8年第155回(6月)定例会 令和8年6月24日 本会議 一般質問(動画: https://kesennuma-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=964 / 該当箇所 冒頭〜)
- 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「経済的に困難な子育て世帯の子ども1.4万人の食と生活の実態調査報告書——2025年『子どもの食 応援ボックス』申込者7,856世帯対象」(2025年7月)(https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/report-foodbox2025.pdf)
- 当社データベース集計: 2025年8月以降の議会答弁関連記録を対象に、「夏休み/夏季休業/長期休業」等と「昼食/弁当/居場所/学童/放課後児童/子ども食堂/学習支援」等が同一の文の中に現れる記録を集計(257自治体・495件)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。