運転手不足の中で「市民の足」をどう守るか——市営バス黒字化と計画課題報告の議会答弁
関連自治体: 青森県青森市 / 沖縄県那覇市
青森県青森市は2026年3月4日の市議会本会議で、市営バスを運営する自動車運送事業の令和6年度輸送人員が650万8,591人、純利益が7,258万円になったと交通部長が答弁した。運転手不足や利用者減が全国のバス事業を圧迫するなか、経営改善や計画課題の報告など「市民の足」を守る施策が各地の議会で示されている。
各市の表明
- 青森県青森市(2026年3月4日・本会議・交通部長): 「青森市自動車運送事業経営戦略2021から2030」に基づき、ノンステップバスの導入、地域連携ICカード「青パス」やバスロケーションシステム、民間交通事業者と連携した委託運行などに取り組んでいると答弁した。令和6年度の輸送人員は前年度比17万7,477人増の650万8,591人、当年度の純利益は7,258万円になったと述べた。同じ質疑では、全国の乗り合いバス乗客数が30年前と比べ28道県で50%以上減り、青森県も30年間で54.4%減ったとの構造的減少が議員から示された。
- 沖縄県那覇市(2026年2月24日・本会議・都市みらい部長): 那覇市地域公共交通計画の課題として、運転手不足、利用者数の減少、燃料費や人件費の高騰による運行経費の増加を挙げたと答弁した。対応として、各バス事業者はダイヤ改正や運賃改定を実施し、沖縄県は運転手確保に向けた資格取得の支援を行い、市はバスマップの配布やホームページへの運行情報の掲載で利用促進に努めていると説明した。
背景
バス事業は、2024年4月からの運転者の労働時間規制強化に伴う「2024年問題」で運転手不足が深刻化し、減便や路線廃止の圧力が全国で強まっている。国は地域公共交通活性化再生法を2024年度に改正し、黒字・赤字を問わず一定エリアのバス路線の運行を自治体が支える「エリア一括協定運行事業」などの枠組みを整備した(国土交通省)。同法に基づく地域公共交通計画は、自治体が運行支援や路線見直し、デマンド交通などの再構築を位置づける計画である。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「運転手不足」と「地域公共交通」の両方に言及した議会関連記録が190自治体で確認されている。
出典:
- 青森市議会 2026年3月4日 定例会 本会議(動画: https://aomori-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2251 / 該当箇所 25:25頃〜)
- 那覇市議会 2026年2月24日 定例会 本会議(動画: https://naha-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=3194 / 該当箇所 23:39頃〜)
- 国土交通省「地域公共交通活性化再生法の一部を改正する法律案を閣議決定」報道発表(https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000505.html)
記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。