給食費無償化、国基準の超過分を独自負担する3市町

関連自治体: 福井県大野市 / 岐阜県海津市 / 栃木県高根沢町

福井県大野市は2026年3月の市議会定例会で、新年度から国の交付金を活用して小学校給食費を完全無償化し、国の補助基準額を超える食材費は市が負担する方針を教育総務課長答弁で明らかにした。令和8年4月に国が公立小学校の給食費負担軽減を始めるのを前に、基準額を超える分の負担や中学校への拡大を巡る答弁が各地の議会で相次いでいる。

各市町の表明

  • 福井県大野市(2026年3月・定例会・教育総務課長): 新年度から国の給食費負担軽減交付金を活用し、補助基準額を超える分を市が負担して小学校給食費を完全無償化すると答弁した。地場産食材の使用で給食費が国の基準額を上回るため差額は保護者に求めず、就学援助世帯を含め市内全ての小学生から給食費の徴収をなくす。中学校給食費は1食390円の保護者負担を据え置き、物価上昇を反映して見込んだ1食425円との差額35円を市が負担する。給食会計は新年度から市の公会計に組み入れ、支払い事務を教育委員会事務局に集約すると述べた。
  • 岐阜県海津市(2025年12月・定例会・市長ほか): 給食費無償化について給食の質の維持を最優先に取り組むと教育委員会事務局長が答弁した。市長は、国の補助で足りない分は市が負担し、小学校給食費は保護者負担を求めず公費で完全無償化すると述べた。市の小学校給食費は1食260円で、国の支給額案(月4,700円程度)を上回る。中学校の無償化については、実施したい思いはあるが、ほかに優先すべき事業があり国が進める中学校無償化の時期も明示されていないとして、市独自での実施には慎重な姿勢を示した。
  • 栃木県高根沢町(2026年6月・定例会・教育長): 給食費無償化後も予算の枠に収めることを前提とせず、必要な栄養バランスを満たす材料費を算定し物価高騰分を反映させると教育長が答弁した。国や県の補助基準額を超える部分は引き続き町が負担する。令和8年度の1食単価は小学校が約305円、中学校が約367円で、平成13年度から町の公会計で処理している。学校給食の地場産物活用割合は令和6年度に金額ベースで97.29%と県内1位で、無償化後も食育と地産地消を継続すると述べた。

背景

国は2026年4月から「学校給食費の抜本的な負担軽減」を実施し、公立小学校(義務教育学校前期課程と特別支援学校小学部を含む)の児童を対象に食材費相当額を支援する。2026年度の補助基準額は完全給食で1人月5,200円(年11ヶ月分)で、基準額を超える部分は学校給食法に基づき引き続き保護者から徴収することが可能とされる(文部科学省)。このため、給食費が基準額を上回る自治体では、超過分を独自に負担するかどうかが議会の焦点となっている。中学校は国の支援対象外で、市町独自での無償化の可否も各地で問われている。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「給食費」と「無償」の両方に言及した議会関連の記録が945自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。