教職員の精神疾患休職7,087人——那覇市は復職後の再休業を課題に挙げ、支援プログラムに予算計上

関連自治体: 沖縄県那覇市 / 沖縄県浦添市 / 岡山県玉野市 / 岩手県釜石市

沖縄県那覇市は2026年6月8日の市議会6月定例会代表質問で、メンタルヘルス不調による休職者や、復職後に再び休業する職員が一定数存在することを課題として挙げ、復職支援プログラムを導入するための予算を本会議に上程していると学校教育部長が答弁した。文部科学省の調査では、精神疾患による教職員の病気休職者数は10年で約4割増えており、休職に至った後の復帰をどう支えるかに論点が移りつつある。

各市の表明

  • 沖縄県那覇市(2026年6月8日・6月定例会代表質問・学校教育部長): 今年度、保健師を1名増員して相談支援体制を強化した。昨年度に引き続き県や委託産業医と連携した労働安全衛生体制の整備を進め、教職員が安心して相談できるよう多様な相談ルートを確保して健康管理体制の充実を図っている。課題としては、メンタルヘルス不調による休職者や復職後に再休業する職員が一定数存在することを挙げた。課題解決に向け、カウンセリング業務やストレスへの対応力を高める内容を含めた復職支援プログラムを導入するための予算を本会議へ上程しているとした。
  • 沖縄県浦添市(2026年6月15日・6月定例会一般質問・市): 夏休み期間中に外部講師による教職員向けのメンタルヘルス研修会を実施している。令和7年度からは産業医を2名配置し、産業医による学校訪問と本庁舎内でのメンタルヘルス相談を行っていると答弁した。
  • 岡山県玉野市(2026年6月18日・第3回定例会・市): 5月1日時点で小学校・中学校ともに教員の未配置はない。病気休職者は小学校が2名で、うち1名が精神疾患によるもの。2名とも代替の教員を配置済みである。中学校に病気休職者はいない。産前産後休暇・育児休業の取得者は小学校15名、中学校6名(養護教諭、事務職員、学校栄養職員を含む)で、いずれも代替を配置していると答弁した。
  • 岩手県釜石市(2026年6月23日・6月定例会・市): 教職員の時間外在校等時間は、公務用パソコンの統合型校務支援システムを活用して各校長と教育委員会で把握している。時間外が多い教職員には校長が面談し業務状況を確認している。令和7年度の時間外在校等時間は、月45時間以上80時間未満の教職員が小学校17.6%、中学校30.8%、80時間以上が小学校0.3%、中学校2.4%だった。持ち帰り業務は原則行わないこととしているが、実態把握と改善のため、業務が多くなる傾向のある6月、10月、12月に任意の2週間の持ち帰り業務時間と内容を調査・報告させているとした。

背景

文部科学省が2025年12月22日に公表した令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査によると、公立の小中学校・高等学校・特別支援学校などの教育職員のうち、精神疾患により病気休職した人数は7,087人だった。全教育職員922,776人(令和6年5月1日現在)の0.77%にあたる。令和5年度の7,119人から32人減ったが、割合は横ばいである。平成27年度は5,009人だったので、10年間で約4割増えたことになる。

同調査は病気休職の要因も教育委員会に尋ねている。最も多いのは業務内容のうち「児童・生徒に対する指導そのものに関すること」で26.5%、次いで「職場の対人関係(上司、同僚、部下等)」が23.2%、業務内容のうち「校務分掌や調査対応等、事務的な業務に関すること」が12.7%だった。一方、「長時間勤務(時間外在校等時間の状況、年次有給休暇の取得状況)」を挙げた割合は0.5%、「相談しづらい環境」は0.2%だった。教育委員会が把握している範囲での回答である点には注意が要る。

釜石市が報告した時間外在校等時間や持ち帰り業務の調査は、働き方改革として全国で進んでいる取り組みにあたる。その一方で、那覇市が課題に挙げた復職後の再休業や、浦添市の産業医配置は、休職に至った職員をどう戻すかという別の局面に対応するものである。

当社データベースでは、過去1年(2025年8月以降のデータ)で「教職員」または「教員」と、「精神疾患」「メンタルヘルス」「病気休職」等のいずれかの両方に言及した議会答弁関連の記録が176自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。