消防団員、確保できず定員割れ続く——太田市は充足率70.9%、彦根市は定数に100人不足

関連自治体: 群馬県太田市 / 滋賀県彦根市 / 埼玉県幸手市

群馬県太田市は2026年3月9日の市議会予算審査で、消防団員の充足率が令和7年4月1日時点で70.9%にとどまると明らかにした。地域防災の担い手である消防団員の確保難は滋賀県彦根市や埼玉県幸手市の議会でも同時期に報告され、いずれも定員を満たすめどは立っていない。

各市の表明

  • 群馬県太田市(2026年3月9日・予算審査・市消防本部主管): 太田市消防団の団員数は令和7年4月1日時点で条例定数700人に対し実員496人で、充足率は70.9%。確保策として地域のイベントでのPR活動や団員募集を続け、今年度は大学の学園祭にも出展したと答弁した。消防庁の伴走支援事業を受けてポスターを作成し、これまでと違う層に向けたアピールを検討するとしたが、充足率を引き上げる具体的な見通しは示さなかった。
  • 滋賀県彦根市(2026年3月10日・本会議一般質問・消防長): 令和8年3月1日時点の団員数は425人で、条例定数525人に対し100人少ない状況にあると答弁した。内訳は基本団員399人、機能別消防団員26人で、機能別団員を加えても定数には届いていない。準中型以上の運転免許を持つ団員は420人中391人。免許取得の助成制度はなく、将来の運転手不足に備えて必要性を検討するとした。分団配置の地域的な偏りを含めた組織の見直しも論点となったが、方向性は決まっていない。
  • 埼玉県幸手市(2026年2月19日・本会議一般質問・市民生活部長): 消防団員数は現在152人で、令和2年度の158人から令和6年度の153人まで減少傾向が続いていると答弁した。確保策は現団員や市職員による勧誘、イベントでの加入促進チラシの配布が中心で、抜本的な増員策には至っていない。全国では消防団員数が平成元年の100万人から令和5年に76万人へ減ったと市も説明した。

背景

消防団員は消防組織法に基づき市町村に置かれる非常勤特別職で、火災対応のほか災害対応や地域の防災活動を担う。総務省消防庁の「消防団の組織概要等に関する調査」によると、全国の消防団員数は令和7年4月1日現在で約73万2千人と対前年比約1万4千人減り、減少が続いている。女性団員や機能別団員は増えているものの、団員全体の減少を補うには至っていない。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「消防団」と、確保・なり手・担い手・不足・減少・充足・団員数・高齢化のいずれかに言及した議会答弁関連の記録が765自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。