立地適正化計画、3市で誘導区域の設定・見直し

関連自治体: 静岡県焼津市 / 鳥取県鳥取市 / 新潟県三条市

静岡県焼津市は2026年3月5日の市議会本会議で、立地適正化計画の誘導区域内への住宅地供給を促す4つの施策を来年度から展開する方針を市長答弁で明らかにした。人口減少下でコンパクトなまちづくりを目指す立地適正化計画をめぐり、誘導区域の設定や防災指針の反映を進める自治体の動きが議会答弁で相次いでいる。

各市の表明

  • 静岡県焼津市(2026年3月5日・本会議・市長): 市街化区域と市街化調整区域に区分してから約50年が経過し、市域の約3割を占める市街化区域は9割を超えて都市的土地利用が進んだため、市街化区域内の新たな住宅地確保には限りがあると答弁した。そのうえで市街化調整区域も含めた4つの施策を挙げ、第1に立地適正化計画の「住まいるエリア」内で来年度から宅地分譲開発事業への補助制度を新設すること、第2に「スマイルシティ拠点エリア」に隣接する区域で都市計画法に基づく条例を活用すること、第3に「生活交流区域」で優良田園住宅制度を活用すること、第4に市街化調整区域に地区計画を適用することを示した。
  • 鳥取県鳥取市(2026年3月4日・本会議・市長): 令和8年度に策定を予定する立地適正化計画について、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点等へ誘導するとともに、その周辺への居住を誘導することで、生活サービスへのアクセスを確保し、一定のエリアにおける人口密度の維持を図るものだと答弁した。限られた社会資源の中で生活機能や地域コミュニティを持続可能な形で維持するために重要な視点だと述べ、地域の実情や市民生活への影響を見極めながら、実効性のある計画として着実に取り組むとした。
  • 新潟県三条市(2026年3月6日・本会議・建設部長): 都市計画マスタープランを令和6年度の目標年次到達に合わせて改定し、都市機能を一箇所に集めるコンパクトシティではなく、各拠点や地域間を公共交通で結ぶ「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考えを取り入れたと答弁した。あわせて立地適正化計画の居住誘導区域を見直し、これまで工業団地等を除く用途地域内に設定していたものを、今回、計画の中に防災指針を策定したことにより、想定最大規模の洪水による災害リスクの高いエリアを居住誘導区域から除外したと述べた。

背景

立地適正化計画は、2014年8月の都市再生特別措置法の改正で制度化された。人口減少や高齢化が進む中で、行政と住民、民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを進める枠組みで、医療・福祉・商業等の都市機能を集める「都市機能誘導区域」と、生活サービスや地域コミュニティを維持する「居住誘導区域」を市町村が定める(国土交通省)。2020年6月の同法改正では、居住誘導区域内で行う防災・安全確保策を定める「防災指針」の作成が新たに位置づけられ、災害リスクの高いエリアの扱いが計画に組み込まれた。都市計画マスタープランの改定期に合わせて誘導区域や防災指針を見直す動きが各地で進んでいる。当社データベースでは、過去1年(2025年7月以降のデータ)で「立地適正化」と「計画」の両方に言及した議会答弁関連の記録が266自治体で確認されている。


出典:

記事中の議会での発言・答弁は、公開されている会議録・中継動画に基づいています。動画リンクは公開元の都合により視聴できなくなる場合があります。