コラム

わかろうとしない相手に、時間を使わない——自治体営業の引き際

相手と向き合うことは大切だ。だが、わかろうとしない相手に、いつまでも時間を使い続けるのは違う。どうしても内側のルールでしか動けない人は、残念ながら一定数いる。そこを見極めて引くことも、限られた時間で成果を出すためには欠かせない。元自治体職員の目線で、引き際の話を書く。

この記事の要点

  • 内側のルールでしか動けず、わかろうとしない人は、一定数いる。
  • そういう相手にいくら熱量を持って説明しても、通じないことがある。
  • 通じない相手に時間を使い続けるのは、相手に予算があっても無駄になりやすい。
  • 引き際は、タイミングを改めて臨むか、今回は縁がなかったと割り切って外す。
  • 限られた時間を、成果につながる相手に使う。早めに切り上げ、他を当たる。

内側のルールでしか動けない人は、一定数いる

どんなに良いサービスでも、そもそも新しいものをわかろうとしない相手はいる。自分たちの内側のルールでしか動けず、その枠から出て考えることが難しい人だ。これは、こちらの伝え方の問題とは限らない。残念ながら、一定数はそういう相手がいる、と受け止めておいたほうがいい。担当者の見立てについては担当者は「専門家」とは限らないにも書いた。

通じない相手に時間を使うのは、予算があっても無駄

そういう相手に、いくら「こんなに良いサービスなんです」と熱量を持って伝えても、通じないことがある。そして、通じない相手にそれ以上の時間を使うのは、正直なところ無駄になりやすい。たとえその組織に予算的な余裕があったとしても、そこに無理に時間を費やし続けるのは、得策ではない。相手のタイプを見極める話はアーリーアダプターを探すにまとめている。

引き際——改めて臨むか、今回は外す

もし、そこがどうしても狙いたい自治体なのであれば、いったん引いて、タイミングを改めて臨むのもいい。人事異動で担当者が替われば、状況が変わることもある。あるいは、今回は縁がなかったと割り切って、そこは外してしまう。無理に食い下がるより、そのほうが得策だと思う。

限られた時間を、成果につながる相手に

誰もが、限られた時間の中で仕事をしている。お互いにとって不快な思いをしてまで、嫌な時間を使ってまで、成果につながらない相手と深く付き合う必要はない。相手の時間を奪わないことにもなる。手ごたえがないと感じたら、早めに切り上げて、他の自治体を当たってみる。その判断の速さが、限られた時間での成果を大きく左右する。

見切ったぶんの時間は、前を向いている自治体に振り向ければいい。当社が議会の会議録を横断的に集計したところ、過去1年間で多くの自治体が具体的な課題を議会で取り上げていた。たとえば専門職の確保・委託化は732自治体、庁内の生成AI活用は549自治体にのぼる(自治体の課題ランキング)。当たれる先は、思っているより多い。通じない1件に留まり続けるより、動いている相手を次に探すほうが早い。


この記事は、自治体営業のリアル——よくある7つの勘違いと、正しい攻め方の論点別の解説です。